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予防と検査 ― 選べる方法を知って、定期的に確かめる

⏱ 読む時間の目安:約5分

性行為でうつる病気(性感染症)の予防は、「こわいから避ける」ためのものというより、安心して楽しむための準備です。いまは、コンドームのほかにも選べる方法が増えています。エイズの原因になるウイルス(HIV)をうつる前に防ぐ薬(PrEP)や、治療によってうつらなくする予防(U=U)、ワクチンなどです。そして、どの方法を選んでも欠かせないのが、定期的な検査です。

コンドーム

コンドームは、手軽で身近な予防の方法です。HIVや淋菌、クラミジアなど、多くの性感染症にかかる危険(リスク)を下げます。ただし、コンドームでおおわれない皮膚や、しめった薄い膜(粘膜)からうつるものもあります。梅毒や、いぼやがんの原因になるウイルス(HPV)、ヘルペスなどです。

PrEP(HIVの曝露前予防)

PrEPは、うつる前に飲む予防の薬(曝露前予防)です。HIVに感染していない人が、前もってHIVをおさえる薬(抗HIV薬)を飲んでおきます。世界で最初に大人数で行われた、薬を試す研究(大規模な臨床試験)があります。毎日飲むグループはHIVの感染が、偽の薬を飲むグループより44%少なくなりました。また、血液から薬が見つかった人ほど感染が少なく、きちんと飲み続けることが大切だと分かりました(Grant ら, 2010)。ただし、参加者を見守った期間は、真ん中の値(中央値)で約1.2年と短めでした。飲み忘れの多い人も含まれていた点にも注意が必要です。

日本では2024年8月、「ツルバダ配合錠」がHIVの曝露前予防の薬として国に認められました(承認)。認められている飲み方は毎日飲む方法です。健康保険は使えず、全額自分で払う(自費)ことになります。飲み始める前と飲んでいる間には、HIV検査、腎臓や肝臓の検査、性感染症の検査などを定期的に受ける必要があります(HIVマップ, 2024)。費用や、ほかの飲み方の扱いは、病院やクリニック(医療機関)によって違います。薬を出している医療機関に確かめましょう。

PrEPは、医師に薬を出してもらうこと(処方)が必要です。インターネットなどで、自分の判断だけで海外から取り寄せて(個人輸入)飲むのはやめましょう。HIVに感染していることに気づかないまま飲み始めると、薬が通じにくいウイルス(耐性をもったウイルス)が生まれるおそれがあります。腎臓などへの影響も、検査なしでは分かりません。また、PrEPはHIV以外の性感染症は防げません。

U=U(検出限界未満なら、うつらない)

U=Uは「Undetectable=Untransmittable」の略です。HIVに感染している人(HIV陽性の人)が治療を続けて、血液中のウイルスの量が、検査で見つけられないほど少ない量(検出限界未満)に保たれていれば、性行為でHIVはうつらない、という考え方です。ヨーロッパ14か国で、男性カップル782組を追った研究があります。どのカップルも、一方がHIV陽性で、治療によりウイルスが抑えられていました。コンドームなしのおしりを使ったセックス(アナルセックス)が合計7万6千回以上報告されましたが、相手(パートナー)との間での感染は1件も確認されませんでした(Rodger ら, 2019)。この研究はHIVについてのものです。ほかの性感染症は防げないことに気をつけましょう。

U=Uは、HIVとともに生きる人への偏見を減らす大切な知識です。治療を続けているパートナーとの関係は、安心して築くことができます。

知っておきたい性感染症

ワクチンで防げるものもある

A型肝炎とB型肝炎にはワクチンがあります。HPVについては、2025年8月に、防げるウイルスの型が多いワクチン(9価ワクチン)「シルガード9」が承認されました。男性への接種と、肛門がんの予防に使ってよい(適応)と認められました(MSD, 2025)。男性の接種は多くが自費です。ただ、市区町村など(自治体)によっては、費用の一部を出してくれる制度(助成)があります。接種してよいかどうかは、医療機関で相談しましょう。

検査を習慣に

保健所では、HIV検査を無料で、名前を言わずに(匿名で)受けられます。多くの保健所では、梅毒などの検査も一緒にできます。厚生労働省の「HIV検査・相談マップ」で、近くの検査場所や日時を探せます。首都圏なら「あんしんHIV検査サーチ」(HIVマップ)も便利です。ゲイや、男性も女性も好きになる男性(バイセクシュアル男性)に配慮する研修を受けた検査場所が分かります。

ふたりで試すお題 「最後に検査を受けたのはいつ?」をお互いに話してみましょう。まだの方は、一緒にHIV検査・相談マップで近くの検査日を調べて、予定を決めてみてください。

参考にした資料

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