うしろ櫓(うしろやぐら)― 台に手をついて、立って後ろから
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うしろ櫓は、受け入れる側が前かがみになって台や壁に手をつき、相手が後ろに立って重なる形です。今でいう「立ちバック」にあたります。ベッドがなくてもできる反面、身長差の影響を強く受け、立ったまま体を支えるので脚と腰が疲れやすい形です。台と床の選び方、高さの合わせ方、けがを防ぐ動き方をまとめます。
名前の由来
「櫓(やぐら)」は、見張りなどのための高い建物や、組み上げた台を指す言葉です。なぜこの形にこの名前がついたのかは、はっきりした資料が見つからず、諸説あります。四十八手には、立って向かい合い相手を抱え上げる「櫓立ち」という別の手もあります。
どんな形か
- 受け入れる側:立ったまま前かがみになり、腰の高さくらいの台(机・洗面台・ベッドのふちなど)や壁に両手をつく
- 相手:受け入れる側の後ろに立つ。ひざを軽く曲げて高さを合わせる
- 動くのは主に後ろの人。受け入れる側も、手で台を押して前後に体を動かせる
- 顔が見えない。言葉と合図を先に決めておく
やり方(手順)
- 手をつく場所を選ぶ。動かない・倒れない・すべらないものにする。キャスター付きのいす、ぐらつく棚、ガラスの天板は避ける
- 足元を確かめる。浴室やフローリングに靴下など、すべる場所は避ける。裸足で、乾いた床かマットの上がよい
- 受け入れる側が、台に手をつき、足を肩幅くらいに開く。ひじは軽く曲げておくと、体重を受け止めやすい
- 腰の高さを合わせる。後ろの人のほうが高い時は後ろの人がひざを曲げる、低い時は後ろの人が安定した低い踏み台に乗る。受け入れる側がつま先立ちで合わせ続けると、すぐ疲れる
- うるおいを確かめ、手で支えて入り口に合わせる。最初は浅く、ゆっくり
- 後ろの人は、受け入れる側の腰に手を添えて支える。強く引き寄せない
- どちらかの脚が疲れたら、ベッドに移って、よつんばいの形(鵯越え)などに変える
からだの負担と、身長差・やわらかさ
- 身長差:この形で一番の問題になる。脚の長さが違うと腰の高さが合わず、低い側がつま先立ちをする、高い側がひざを深く曲げ続ける、という無理が出る。踏み台・台の高さ・足の開き方で合わせる
- 受け入れる側の腰と腕:前かがみで上半身を腕で支える。台が低いほど前かがみが深くなり、腰と腕の負担が増える。腰や腕がつらい時は、高めの台を選ぶ
- 後ろの人の脚:ひざを曲げたまま立ち続けると、太ももが疲れる
- やわらかさ:大きく脚を開いたり上げたりしないので、体のかたい人でも取りやすい
- 腰痛:立った形で背骨の動きを測った研究は、確かめた範囲では見つかりませんでした。よつんばいの形を測った研究では、後ろの男性は「腰を曲げると痛む人」に向く結果でしたが、立った形にそのまま当てはまるかは分かりません(鵯越えのページで説明しています)。腰が痛む人は、短い時間にとどめてください
けがを防ぐ
後ろからの形は、陰茎折症(勃起した陰茎が強く曲がり、中の膜が裂けるけが)の報告が多い形です。ブラジルの病院で90例を調べた研究では、後ろからの形が41%でいちばん多く、重いけがも多い傾向でした(Barros ら, 2017)。12本の研究をまとめた2024年の分析でも、後ろからの形は危険が高い形として出ていました(Syarif ら, 2024)。これらの研究の「後ろから(英語で doggy style)」は、立った形とよつんばいの形を分けて数えていません。それでも、立った形は腰の高さが合いにくく、抜けやすいので、同じように注意が要ると考えられます。
- 抜けるほど大きく引かない。抜けたら、勢いのまま戻さず、止まって手で支えて入れ直す
- 高さが合わないまま、背伸びや強い突き上げで無理に合わせない
- 受け入れる側がよろけた時は、すぐ止まって体を支える。台や床の角に頭や腰をぶつけないよう、まわりに物を置かない
- お酒を飲んでいる時は、ふらついて転びやすい。この形は避ける
「ポキッ」という音、急に萎える、強い痛みや腫れがあった時は、すぐにやめて泌尿器科か救急へ。尿に血が混じる時は尿道のけがの可能性があります。転んで頭を打った時、強い痛みが続く時も、早めに受診してください。
同意と、止める合図
- 顔が見えないので、始める前に「止めて」の言葉と、手で台を2回たたくなどの合図を決めておく
- 後ろの人は、「高さ大丈夫?」「脚、つらくない?」とこまめに声をかける
- 浴室や玄関など、ベッド以外の場所で始める時も、その場所でよいかを先に確かめる。勢いで場所を決めない
同意の基本は第1章にまとめています。
似た手との違い
- 碁盤攻め:同じく立って後ろからの形で、受け入れる側がもっと低い台に手をつく、と説明される手。前かがみが深くなり、腰と腕の負担が増える
- 仏壇返し:受け入れる側が床に手をつく形。前かがみがとても深く、頭に血がのぼりやすい。負担が大きいので、試すなら短い時間だけ
- 鵯越え:ベッドの上で、よつんばいになって後ろからの形。立たないぶん脚は楽で、身長差も合わせやすい(くわしく)
- 立ち鼎:ふたりとも立って、向かい合う形。顔が見えるが、身長差の影響はやはり大きい
ほかの手は四十八手の一覧から探せます。
こんな時に向く・向かない
- 向く:ふたりの身長差が小さい時、または踏み台で高さを合わせられる時
- 向く:ちょうどよい高さの、動かない台がある時
- 向かない:身長差が大きく、高さを合わせる道具がない時
- 向かない:床がすべりやすい場所(浴室など)、お酒が入っている時
- 向かない:脚や腰が疲れている日、ひざが痛む時
参考にした資料
- Barros R ら(2017)Relationship between sexual position and severity of penile fracture. International Journal of Impotence Research 29(5):207-209
- Syarif S ら(2024)What is the most dangerous sexual position that caused the penile fracture? A systematic review and meta-analysis. International Brazilian Journal of Urology 50(1)
- Sidorkewicz N, McGill SM(2014)Male Spine Motion During Coitus: Implications for the Low Back Pain Patient. Spine 39(20):1633-1639
- ウィキペディア「四十八手 (アダルト用語)」(後櫓=立って後ろからの形)