松葉崩し(まつばくずし)― 脚を互い違いに組む形
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松葉崩しは、受け入れる側の片脚を持ち上げ、ふたりの脚をはさみのように互い違いに組んで重なる形です。四十八手の名前のなかでも、今もよく知られている手のひとつです。脚を組むことで骨盤どうしが近づくのが特徴で、そのぶん受け入れる側の股関節を大きく開くことになります。手順と、ねじれによる負担、深さの調整をまとめます。
名前の由来
二またに分かれた松の葉を、互い違いに組んだ脚に見立てた、という説明がよく見られます。はっきりした資料は見つからず、諸説あります。資料によって、受け入れる側があおむけで行う形と、横向きで行う形の両方が「松葉崩し」と呼ばれています。
どんな形か
- 受け入れる側:あおむけか、やや横向き。片脚を上に持ち上げ、もう片脚はのばしたまま
- 相手:受け入れる側ののばした脚をまたいでひざ立ちになり、持ち上げた脚を胸や肩で抱える
- ふたりの脚が、はさみのように互い違いになる
- 動くのは主に相手。抱えた脚を支えにして、前後に動く
やり方(手順)
- ふつうの向かい合う形(正常位)から始めると移りやすい
- 受け入れる側が、片脚をゆっくり持ち上げる。どこまで上がるかは本人が決め、相手は無理に押し上げない
- 相手は、受け入れる側ののばした脚をまたぐように位置をずらし、持ち上げた脚を胸の前で抱える。ひざが痛む人はひざの下にクッションを入れる
- 受け入れる側の腰が少し横を向くと、脚が組みやすい。背中や腰の下に枕を入れて角度を支える
- うるおいを確かめ、浅く、ゆっくりから始める。骨盤が近づくぶん深くなりやすいので、深さは受け入れる側が伝える
- 脚が疲れたら、抱えた脚をおろす、横向きに寝て寄りそう形に移るなどして休む
からだの負担と、身長差・やわらかさ
- 受け入れる側の股関節:片脚を高く上げて開くので、股関節と太ももの裏が伸ばされる。体のかたい人は、脚を肩までかけず、相手の胸の前やおなかの横で支えるだけでよい
- ねじれ:上半身はあおむけ、骨盤は横向き、という形になりやすく、腰にねじれがかかる。腰や股関節に痛みがある人は、枕で体ごと少し横向きにして、ねじれを減らす
- 相手:ひざ立ちで脚を抱え続けるので、ひざと腕が疲れる
- 身長差:脚の長さが違うと、組んだ脚の位置が合いにくい。相手のひざの位置(前後)で合わせる
- 腰痛:この形で背骨の動きを測った研究は、確かめた範囲では見つかりませんでした。痛みが出たらやめて、ほかの形に移ってください
けがを防ぐ
- 持ち上げた脚を、相手が体重をかけて押し込まない。股関節の痛みや、太ももの裏のすじを痛める原因になる
- 脚を組んだまま急に向きを変えない。陰茎が横向きに強く曲がることがある
- 抜けた時は、勢いで戻さず、止まって手で支えて入れ直す。勃起した陰茎が強く曲がると陰茎折症というけがになることがある(時雨茶臼のページでくわしく説明しています)
- 股関節の手術を受けた人、人工股関節の人は、脚を大きく開く・ひねる形が医師から止められていることがある。主治医の指示を優先する
「ポキッ」という音、急に萎える、強い痛みや腫れがあった時は、すぐにやめて泌尿器科か救急へ。受け入れる側の股関節や脚の付け根に鋭い痛みが出た時も、その場で止めて脚をおろしてください。
同意と、止める合図
- 向かい合う形なので、表情を見ながら「脚、つらくない?」「このくらいの深さでいい?」と確かめる
- 脚を持ち上げる高さは、受け入れる側が決める。「もう少し低く」と言われたら、すぐおろす
- 相手の脚に押さえられて動けない形なので、受け入れる側が「待って」と言ったら、相手は脚を放して離れる
同意の基本は第1章にまとめています。
似た手との違い
- 菊一文字:受け入れる側が脚を開き、相手が横に寝そべって体をまっすぐにのばして重なる形。相手はひざ立ちにならないぶん楽
- 燕返し:うつぶせの相手の片脚を持ち上げて脚を交差させる形。松葉崩しをうつぶせから行うような形で、腰のねじれはさらに大きい
- 窓の月:ふたりとも横向きに寝て、後ろから寄りそう形。脚は組まない
- 深山:あおむけの受け入れる側の両脚を、相手の肩にかける形。脚を交差させない
- 立ち松葉:名前は似ているが、相手が立って受け入れる側の脚を高く抱え上げる形。負担がとても大きい
ほかの手は四十八手の一覧から探せます。
こんな時に向く・向かない
- 向く:向かい合う形に、少し変化をつけたい時
- 向く:受け入れる側の股関節がやわらかく、脚を上げても痛まない時
- 向かない:股関節や太ももの裏に痛みがある時、股関節の手術を受けている時
- 向かない:腰をひねると痛む時
- 向かない:奥に痛みが出やすい時(深くなりやすいため。浅めにとどめられるなら可)