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第7章 実践編 ― ふれあいの順番と触れ方の目安

⏱ 読む時間の目安:約14分

この章では「実際に、何を、どんな順番で、どう触れ合うか」を手順として整理します。順番は一つの例です。全部を行う必要はなく、途中で止めても、入れ替えてもかまいません。研究で分かっていることと、経験者のあいだでよく語られる工夫(研究で確かめられたものではありません)は、分けて書いています。各ふれあいにそえた「時間の目安」も経験にもとづく目安で、人によって大きくちがいます。

全体の流れ

指や道具を中に入れること(挿入)がなくても、ふたりの時間として十分です。する側・される側も固定しなくてよく、途中で交代しても、同時に触れ合ってもかまいません(第1章)。

途中で確かめる言葉の例:「この強さでいい?」「もう少し弱く/ゆっくりがいい?」「ここと、こっち、どっちが好き?」「続けていい?」「少し休む?」。短く、選べる形で聞くと答えやすくなります。

始める前の確認と、キス・全身へのふれあい

始めは性器から離れた場所から触れます。キス、髪や首すじ、肩、背中、腕、おなか、太ももの外側から内側へと、少しずつ中心に近づけます。手のひら全体でゆっくりなでる、指先で軽くなぞる、など強さを変え、相手の反応や言葉で好みを確かめます。胸も、まずまわりから弱い力で。経験者のあいだでは、キスは唇を軽く合わせるところから始めて急に深くしないこと、途中で水分補給や休憩をはさむことがよく語られています。

時間の目安:10分ほど。急がないほど、からだのうるおいが追いつきやすくなります(第3章)。
合わない時:くすぐったいなら、指先から手のひら全体に変えて、少し強めにゆっくり。
確かめる言葉:「どこを触られるのが好き?」「くすぐったくない?」

手でのふれあい(外側)

アメリカの18〜94歳の女性1,055人の調査では、性器への触れ方の好みが、場所・強さ・動きの形・リズムの4つで大きく分かれていました(Herbenick ら, 2018)。原文で確かめた主な数字です。

好きな動きの形そう答えた人の割合(複数回答)上下になでる63.7%円を描く51.6%左右に動かす30.6%
出典:Herbenick ら(2018)。アメリカの18〜94歳の女性1,055人(ほとんどが異性を好きになる女性)。複数回答のため、合計は100%になりません。女性同士の場面に限った結果ではないので、試す候補の目安にとどめてください。

国全体の姿を映すように選んだ調査ですが、ほとんどが異性を好きになる女性で、女性同士の場面に限った結果ではありません。「試す候補の一覧」として使いましょう。

いちばん確実なのは、本人に教えてもらうことです。触れている手の上に相手の手を重ね、場所・強さ・速さを導いてもらいましょう。経験者のあいだでは、お互いが自分で触れる様子を見せ合い、好みを目で伝える方法もよく勧められています。

時間の目安:一つの動きを1〜2分続けてから、変えるかを決める。全体では10〜20分以上かかることも珍しくありません。
合わない時:強さ・速さ・場所・形のうち、一つだけ変える。強すぎたら、皮の上からや手のひらに戻る。手が疲れたら、反対の手に替えるか、ひじをクッションにのせる。
確かめる言葉:「上下と円、どっちがいい?」「このまま続けていい?」

手での触れ方6つピンクの矢印が指の動き。皮の上からが基本円を描く10円玉くらいの円1秒に1周くらい上下になでる幅1〜2cmいちばん多い好み左右に揺らす幅5mmほど小さく細かくトン軽くたたく指の腹でトントンリズムを一定に手のひらで押して揺らす全体を包んで押したまま小さく2本の指ではさむ皮ごと両側からはさんで上下
幅や速さは目安です。1〜2分は同じ触れ方を続けてから良し悪しを決め、合わなければ場所・強さ・動きを1つずつ変えます。直接が強すぎる人は、皮の上や横から触れましょう。

内側へのふれあい

中に触れるのは、外側で十分に時間をとり、相手が望んだときだけにします。

アメリカの18〜93歳の女性3,017人の調査では、入り口のすぐ内側への触れ方(Shallowing)を使ったことがある人が83.8%、指先で行ったことがある人は60.4%でした。中に触れている間にクリトリスにも触れる組み合わせ(Pairing)を使ったことがある人は69.7%で、パートナーが指で行ったことがある人は43.1%でした(Hensel ら, 2021)。回答者の91.2%は異性を好きになる女性で、場面の多くは男性との挿入ですが、女性同士でも、外側と内側に別々の手で同時に触れる形として試せます。

時間の目安:入り口で1〜2分止めてから進む。動かすのは、ゆっくり短い幅で。
合わない時:奥より入り口近くに戻る。出し入れより、止めたまま押す動きに変える。外側への触れ方を足す。
確かめる言葉:「入れていい?」「痛くない?」「もう少し浅いほうがいい?」

痛み・出血・強い違和感があったら、すぐに指を抜いて止めます。中に触れられるのが好きでない人もいます。それも自然な好みです(第2章)。

口でのふれあい

経験者のあいだでは、上に重なる側が肘や膝で体重を支えること、横向きで行うと疲れにくいことがよく語られています。第4章のとおり、口で触れられる回数と細菌性腟症のかかりやすさの関係を示した研究もあるので、いつもとちがうおりものやにおいがある日はお休みにしましょう。

時間の目安:あごや舌が疲れやすいので、数分ごとに手に替えて休むとよいと言われます。
合わない時:舌先から舌の広い面へ、速さより一定のリズムへ。
確かめる言葉:「このまま続けていい?」「手と、どっちがいい?」

からだを重ねてこすり合わせるふれあい

性器同士や、性器と太ももなどを重ねてこすり合わせるふれあい(トリバディズム)は、女性同士で広く行われています(第3章)。姿勢は名前より「どこが重なるか」「誰が動きを調整しやすいか」で選びます。

経験者のあいだでよく語られる工夫です(研究で確かめられたものではありません)。

時間の目安:脚や腰が疲れたら、すぐ姿勢を変える。
合わない時:性器同士から太ももへ、交差から横向きへ。
確かめる言葉:「当たってる?」「脚、つらくない?」

姿勢ごとのふれあい方と、ふたり同時の組み合わせ

どの姿勢が合うかは、からだの大きさや体力で変わります。以下は経験者のあいだでよく語られる特徴で、研究で比べたものではありません。

ふたり同時に心地よくなれる組み合わせの例です。

姿勢ごとのふれあい方ピンクと紫の、ふたりのあわびちゃん並んで横になる手が届きやすいふたりとも疲れにくさとても楽同時にふれあうしやすい向いている時はじめての時向かい合って座る手が届きやすいふたりとも疲れにくさふつう同時にふれあうしやすい向いている時顔を見たい時一方があお向け手が届きやすい上の人疲れにくさ上の人の腕同時にふれあう交代で向いている時口でのふれあい向かい合って上下に重なる手が届きやすいやや届きにくい疲れにくさふつう同時にふれあうこすり合わせ向いている時体を重ねたい時
役割は固定しなくてかまいません。疲れたら横向きに戻る、交代する、など自由に組み合わせましょう。表の内容は本文の目安をまとめたものです。

道具を使うふれあい

腰につけて使うペニスバンド型の道具の基本です。

先ほどの調査では、道具を中に入れたまま、つけ根をクリトリスに当て続ける方法(Rocking)を道具で行ったことがある人が35.8%、腰の下に枕を入れるなど腰の角度を変える方法(Angling)を使ったことがある人が87.5%でした(Hensel ら, 2021)。ペニスバンド型そのものを調べた研究ではありません。経験者のあいだでは、つける側が先に1人でつけて動きに慣れておくこと、指1本→指2本→小さい道具と段階を踏むこと、ベルトをしっかり締めてずれないようにすることが、よく勧められています。

時間の目安:強い振動を同じ場所に長く当て続けない。しびれたら休む。
合わない時:振動を弱める、布越しにする、当てる場所を少しずらす。
確かめる言葉:「強さ、一つ下げる?」「もう少しゆっくりにする?」

1回分の流れの例(30分ほど)

時間はあくまで一例です。途中で止めても、どこかを長くしてもかまいません。

30分の流れの例線はひとりの高まりの一例。ふたりで順番に、でもかまいません0〜5分5〜15分15〜25分25〜30分高まり ↑0〜5分 全身からキス・髪や背中・太ももへ。確かめる言葉を交わす5〜15分 外側へ皮の上から弱めに。好みの動きを聞きながら15〜25分 組み合わせる外側+内側、手+口などを重ねる。交代もOK25〜30分 ゆっくり戻る寄りそって休む。よかったことを1つ伝える
流れと時間は一例です。どの段階も「今日はしない」を選べます。

終わったあとと、よくある失敗

感じ方には大きな個人差があり、この章の方法で必ず心地よくなるわけではありません。首を圧迫する、洗っていない道具を共有する、強い振動を長時間当て続けるといった方法は避けましょう。痛み・出血・強い違和感があったらすぐに止め、続くときは女性の体をみる診療科(婦人科)に相談してください(第5章)。

ふたりで試すお題 服を着たまま、手の甲の上で「上下・円・左右」の3つの動きと「弱い・ふつう」の2つの強さを試し合い、好きな組み合わせを伝え合いましょう。次の時間に、手を重ねて導く練習をしてみてください。

参考にした資料

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